電気自動車でECO

電気自動車の仕組み

電気自動車はエンジンの代わりにモーターと制御装置を使い、ガソリンの代わりにバッテリーに蓄えた電気で走る車です。
地球温暖化の原因と考えられる二酸化炭素の排出を低減する為に、環境に優しい車の研究が行われている中で、今再び脚光を集めています。

近年普及してきたハイブリッド車(ガソリンと電気の二つのいいところを組み合わせて走る車)や天然ガス車(天然ガスを燃料に走る車)、将来性が期待される燃料電池自動車(水素と酸素で発電しながらはしる車)などさまざまな方式のクリーンエネルギー車が考案されていますが、電気自動車はその中でも急成長株です。

それは、携帯電話普及の副産物としてバッテリー(主にリチウムイオン充電池)が飛躍的に小型化・大容量化し、車載用としても実用に達したと言えるからです。
例えば、近く市販される予定の電気自動車は最高時速百キロメートル、一回の充電で走行できる距離は八十キロメートル(富士重工業「R1e」の開発データより)という性能になっています。

  • バッテリー(蓄電池):電気を蓄える装置で、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池が実用化されている。
    リチウムイオン電池は他の電池より蓄える電気量や寿命等が優れている。
  • モーター(電動機):電気を使用して車輪を回転させる装置で、最近の電気自動車は小型軽量となり、エネルギー効率のよい交流電動機を使用している。
  • コントローラー(制御装置):アクセルペダルと連動し、バッテリーから供給される電気エネルギーを調整してモーターの出力をコントロールする装置で、交流電動機搭載の場合は直流を交流に変換するインバーターも内蔵されている

電気自動車が注目される理由

現在ハイブリッドカーが人気集中しています。
しかし、ハイブリッド車に搭載されている電池だけで走行するとわずか5kmほどしか今のハイブリッド車は走れないのです。
それでは今のバッテリーを強力、パワフルにしてモーターでの走行距離をさらに伸ばしたらよりガソリン燃料も少なくて 燃費も向上するのではと開発されているのがプラグインハイブリッドと呼ばれる、家庭用電源から充電できるクルマです。
しかし燃料費から見ても、それでも電気自動車の方がはるかに勝ります。
しかもガソリンエンジンのうるさいノイズもありません。
その一方では燃料電池車が開発されています。
ホンダの【FCX クラリティ】がつい先ごろ北米へ輸出するために本格生産に入りました。
高圧水素タンクに水素を充填し、水素を燃料として使用。
CO2の排出はゼロ、 排出されるのは水だけという究極のエコカーといわれる燃料電池車です。

ガソリン車と電気自動車の比較

今の日本は自動車大国といわれるように、一家に一台以上自動車を所有が当たり前になり、移動手段として国民に定着しています。
それと同時に自動車からの排気ガスによる大気汚染や、二酸化炭素による地球温暖化問題が深刻になり、さらに石油などの燃料枯渇問題はガソリン価格の高騰を引き起こし、人々の生活に影響を及ぼしています。
このような観点から、近年ますます低公害車の必要性が高まっています。

各国の自動車メーカーはこれまでにも低公害車の研究を進め、電気自動車やハイブリッド車を開発してきました。
電気自動車は走行中、全く排ガスを出さない車です。

日本でも19世紀より販売されていますが、電池が大きく居住性が悪い、スピードが出ない、車両価格が高い、電池交換が2年ごとに必要、充電時間が長い、航続距離が短いなどの欠点があり、まだ普及には至っていません。

ハイブリッド車は2つ以上の動力源を併せて走行する自動車です。
現段階の動力源は電気とガソリンエンジン、電気とディーゼル・エンジンと併用するハイブリッド車が一般的です。
排ガスは出ますが、ガソリン車やディーゼル車と比較すると、かなり抑えることができます。
ハイブリッド車は1997年にトヨタのプリウスにより量産販売が始められ、日本だけではなく世界中でハイブリッド車が広く知られるようになりました。
そして今では乗用車だけではなく、大型バスでもディーゼル・エンジンのハイブリッド車が使用されています。
ハイブリッド車は電気自動車と比較すると価格が安く、航続距離、最高速度、性能などの面で優れており、今後さらなる普及が期待されています。

ガソリン車と電気自動車の排気ガス比較

近代の自動車の普及とともに、自動車の排気ガスによる環境への影響が問題になっています。
自動車の排気ガスには、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素など微量の有害物質が含まれています。
またガソリンの燃焼によって発生した二酸化炭素も含まれています。
大量の二酸化炭素は地球温暖化を引き起こす原因になります。
日本の二酸化炭素の排出源において、自動車などの運輸部門は産業部門に続き2番目に多くなっています。

自動車の排気ガス対策は進んでいますが、それ以上に自動車の台数の増加が激しく、二酸化炭素の排出総量は増加傾向にあります。
また環境への影響が大きいのが窒素酸化物です。窒素酸化物は酸性雨や、光化学スモッグの原因になります。
先進諸国では自動車排出ガス規制を段階的に強化し、それぞれ国の基準値を達成するためにさまざまな対策を投じています。

そこで注目を集めているのが排気ガスの少ないハイブリッド車です。
近年では排気ガスの量を規定値の4分の1にまで抑えたハイブリッド車が開発されています。

日本ではハイブリッド車などの低排出ガス車を購入する際に、税制上での優遇制度を設けるなど、普及へ取り組んでいます。

ガソリン車はハイブリッド車と比較して排気ガスの量が多いという欠点がありましたが、現在では電子制御式燃料噴射装置と三元媒体システムを組み合わせた技術により、排気ガスに含まれる窒素化合物などの有害物質を低減し、浄化した状態でガスを排出しています。

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